「クソが、また負けたよ」

インディケーターは確かに買いを表示しているのに、
たったの３時間で一気に３円も下がりやがった。

寝る前にストップをおかず、ヤケになってそのまま放置したのが、
最悪の結果を招いたことに、まだこのときの俺は気づいていない。

朝、目が覚めるとすべてのポジションはなくなっていた。

まさかここまで下がることはないだろうと、
笑いながら設定した３円したのストップに、
ほぼぴったり、俺のポジションをあざ笑うかのように狩っていき、
そこから２円の反発を見せていた。

感情は大波のように揺れ動き、
当然と言わんばかりに怒りながら、
壁を思いきり殴り、そのまま衝動的に買いを入れた。

–

愚かな感覚を信じ、自分が直感だと確信しているのは、
ただの「意味のない勘」であり、丁半博打のそれと一緒だ。

否、自分の感情と期待が先行しているぶん、
よけいにタチが悪いことは、言うまでもなかった。

聡明な読者のあなたならば、おわかりだろう。

この買ったポジションは完全に天井で、
そこからあれよあれよと、相場は下げていったのだった。

この日をきっかけに、俺はFXトレーダーとして、
ちゃんと成長しなければ、いくら金があってもたりないと思い、
ポジションの量を、1/5にすることを固く決心した。

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らいくです、どもども。

“４年前の、負けトレーダーだった私”

この心境は確か、４年ぐらいまえの私を、
そのまま表したものです。

今の相場状況に当てはめてみるのであれば、
ちょうど先日の、キプロス問題での「可決」

私はこのとき、否決されると思っていたので、
売りで待ち構えていたのですが、結果は朝から上昇。

1円ぐらいですかね、ユーロ円は上がったわけですが。

ここで大衆がどんな心理状態になるかを、
まずはさっくりと考えてみるのです。

> おいおい可決だってよ、
こりゃ吹き上げるんじゃねーか？

> こんなのは上昇の序の口でしょうよ。
いけいけ三段ロケット発射。

> ここで売りとか相場の養分っしょ、
買い一択、間違いなし。

—

あなたはどのように考えたでしょうか？

“ポジションを持つまえに、
大衆の思考をまず読み解いてみると・・・”

私自身の行動は、私見になってしまいますが、
こんな感じで考えてからポジションを持ちました。

冷静に考えたあとに、ポジションを持とうとすると、
変なところで売買することが減るので、
その後の相場の流れなんかが、
おぼろげながらわかるようになってきます。

見ていきましょうか。

1.一応はなんとか可決された

2.でも発言がとてもネガティブ

3.一時的に問題解決したように見えるから、
市場の反応は一時的に買い（つまり上昇）

4.となると、ここで買いで入るのは微妙。
ロンドン、ニューヨークでは
下げる可能性も高いかもしれない。

5.冷静にトレンドラインを引く。

6.高値はちょっと更新したが、重たそうな雰囲気

7.ストップを置いて、売りで仕掛ける戦略を考えてみる。

8.トレンドラインをブレイクしたのを確認し、売りでポジションを持つ

昨日の戦略をフローチャート化すると、
こんな感じになります。

つまり、発言によって「上昇トレンドになった」と、
信じこみ、思いこむ人たちは、

「可決されたから、レートは上がるに違いない」

おそらくですが、半分以上の人は、
こんな感じで短期的に考えたのではないかなと予測します。

“損が出ている＝そのトレードは間違っている”

でもなかなかこれを、認めることが難しいんですよ..

だから一時的な損が出ても、
自分の考えを決して曲げようとしません。

なぜなら、上がるだろうと言う期待の数値が、
下がるだろうと言う意識よりも強いから。

（可決されたんだから大丈夫だろうと、バイアスがかかってしまう）

こうなってくると判断力が低下してしまい、
ナンピンをしてしまったりして、
資産をどんどん減らしてしまう、と言う構図ができあがります。

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“精神分析医のフロイト先生の言葉を、
現代のFXトレーダーに使える名言に書き換えてみた”

私は仕事柄、心理学の本をよく読むのですが、
フロイト先生はこのように述べています。

若干トレーダー向けにアレンジを入れますので、
ご理解頂けますと、とても助かります。

―つまりあなたがトレーダーとして
未熟な行動をとってしまうのは、
恐怖、信頼、承認の欲求が得てして多いからなのです。

さらにはそこに、自分でも気づかない潜在的な欲求の中に、
両親や友人、または恋人やパートナーに対する反抗心が
混ざり合っていることを、考えたことはありませんか？

もうちょっとこれをわかりやすく定義すると、

・ポジションを持っているときに、信頼しきってない？
・ポジションと逆行したときに、恐怖を感じてない？

・自分の持っているポジションは正しいと、
認めてほしいと思ったことはない？

さらに、

・恋人や家族がFXトレードのことを理解してくれないから、
その反抗的な心が、フラットなトレードの邪魔をしてない？

と、おそらくですが、FXトレーダー的に、
フロイト先生を解釈すると、こんな感じになるのではないか、
と、私のつたない理解の中では、こういうふうにとらえています。

だから自分の望まない方向へレートが進むと..
（買いならば下落、売りならば上昇）

“アル中の患者のような単純思考になり、
恐怖、憎悪、怒りにまみれてトレードを繰り返す”

つまり自分の心の中では、
一種のパニック状態になってしまうのです。

自分が信じたポジションに、裏切られたような感覚、
ずっと信頼していた親友に、大切な彼女を寝取られたように、
激しい憎悪と、嫉妬に狂ってしまうわけですね。

さて、最後になりますが、

４年前の私に、今の私がメッセージを送るのであれば..

「マーケットはなにも、お前を幸せにしてくれるわけではない。
お前が勝手に、FXをすれば勝てるかもしれない、
そんな希望と理想を、幻想のように抱いているだけだろ？

確かに今のお前は、俺の言葉に耳を傾けないかもしれない。
だけどな、今に冷静にならないと資産の大半を飛ばすぜ？

これは未来からタイムマシンでやってきた、
ありがたい神言だと思って、真剣に聞いたほうがお前のためだよ。

成功するトレーダーってやつはさ、
物事をあらゆる角度から、きっちり自分の力で考えようとするんだよ

今のお前にはそれがない。

だから必勝法とかルールだとかに、
いつまでもずっとこだわってるんじゃないか？

４年後の俺は、ルールはほとんど意識してないよ。
１つの判断材料として見ているだけ。
ただトータルで勝てる方法を、繰り返すだけなんだ。

早くその真実に、俺自身が気づいてくれることを俺は願っているよ。

―４年後の少しだけ成長したトレーダー、未来の俺より」

もしもあなたが今、勝てなくて暗闇の中に、
一人ぽつんとたたずんでいるのであれば..

昔の私と、今の私の言葉をほんの少しだけ、
心の奥にそっと染みこませるように、
何らかのフレーズを、留めておいてもらえれば..

こんなにも嬉しいことはありません。

ここまで読んでくれて、ありがとうございました。

あなたに勝てるトレーダーとしての、光があらんことを。