鼻紙FX書籍で、無謀にも市場に参入した男の末路
私がFXトレードをやろうと思ったきっかけは、
少しお話したかもしれませんが、
「主婦が片手間FXで、毎月100万円を楽々稼ぐ方法」
トイレの鼻紙にもならない、
クソすぎる本を買ったのが市場へ飛びこむきっかけでした。
当時の私は、FXってなんぞ、と言う無知だったので、
本に書いてあることを、そのまま完璧に完全に信用しました。
「すげー、これで俺も億万長者狙えるぜ」
天にものぼったような気持ちで、
チャートソフトをインストールして、
100万円を入金したのを、覚えています。
(ほぼ全財産を投入したんです..)
初心者丸出しの私でも、
買いボタンを押して、上昇すれば利益になる。
売りボタンを押して、下落すれば利益になる。
とりあえず、鼻紙の書籍に書かれていたことで、
覚えているのは、これだけでした。
私はこうやって稼ぎました、とか、
稼いだ金額は子供の養育費にうんぬん、とか、
はっきり言って著者の自慢が半分以上を占めるものでした。
初、記念すべきトレードは勝利で終わりました。
枚数にすると10枚ぐらいは張っていましたね。
(当時はまだ、国内の口座でレバレッジ200倍でできたのです)
利益確定とか、ロスカット設定とかも知らなかったので、
「損益価格:+81.000」と出ているのをみて..
「えっ、もしかして+8万円」
と、めちゃくちゃ喜んだのは一生忘れないでしょうね。
当時の私は零細企業のさえないリーマンで、
手取りにすると、15万円を切るようなブラック会社で働いていました。
残業代はもちろんでないですし、
8:00には会社にいないといけないですし、
会社から帰るのは23時です。
そこから食い入るようにFXに没頭して、
勝ったり負けたりを繰り返していました。
そして、悲劇は訪れます。
「サブプライム・ショック」
そのときの市場はけっこうイケイケで、
「売りで入るなんて、アンタ、アホっしょ?」
そんな感じだったんです、つまり買っていれば、
ワラジムシでも儲かるような相場だったんですね。
しかしその日は..買いで持っていた私には悪夢のような出来事でした。
持っていたのはポンド円/50枚、
なんだかんだで資金は250万円ぐらいまで増えて、
副業としては立派に資金を増やすことができていました。
それにしたって、ポジションの量が圧倒的に多いのですが..
そのときのポジションは、+70pipsぐらいで推移していたので、
あろうことか、リミットもストップも設定してなかったんですね。
で、愚かなことに少しパソコンの前から離席していたんです。
それから戻ってみると、評価損益がめちゃくちゃ赤かったんですよ。
一瞬レートが壊れたんじゃないかと、
パソコンを6回はガン見したと思います。
評価損益:-1.500.000
えっ。
ちょっと前に見たときは、+350.000だったのに..
マ イ ナ ス 1 5 0 万。
目を開けていられない状態とは、
まさにこのことを言うんでしょうね。
それからもあれよ、あれよと相場は急落して、
私は何が起こったのか、さっぱりわかりませんでした。
そして数十分たったころには、
証拠金の不足を示す、危険アラームが、
ぴー、ぴー、ぴー、と鳴り響きます。
もちろんそのときの私には、
入金できる金額なんて、もうありませんでした。
そして..強制ロスカットが発動します。
250万円あった資金は、見事無残に散りました。
ロスカットされて、8万円ぐらいは残っていたんです。
面白いことに、こういった心理状況のときって、
笑うこともなければ、怒ることもないんですよね。
気づいたら自分の目から、ただ涙が流れてくるだけでした。
FXはなんて恐ろしいんだと、これまで勝ってきたのは、
単なる運で、自分の実力ではなかったんだと思った瞬間でした。
数十分は声も出さずに、泣いていたと思います。
思えばこのときが、FXをやっていて、
私が初めて大泣きしたときでもありました。
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だからこそ、私はサイトに訪れた人に、
「勝てるトレーダーになってほしい」
「口座の資金を、着実に増やせるようになってほしい」
「FXに勝って、利益を出す楽しさを知ってほしい」
それが私の想いであり、揺るがない気持ちです。
このときのショックが原因で、
当時付き合っていた彼女には振られて、
仕事がまるで手につかなくなって、
糸の切れた人形のようになった私は、
リストラされてしまいます。
もう、何もかもを失った瞬間でした。
もちろんこれで、FXを忘れると言う選択肢もあったのでしょう。
でも、すべてを失って、FXすらも手放すことは、
私にはできませんでした。
むしろ、FXしか残されていないんだと、
俺にはFXしかないんだと、
奮いたたせることしかできなかったんです。
情けないですし、カッコ悪いですし、
怒りの矛先をどこに向けたらいいのかもわかりません。
バイクをかっとばして、夜の海へ一人おもむいて、
「くそやろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と、本気で叫んだことも、懐かしい思い出です。
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あれから数年がたちましたが、もしもこのとき、
私がFXという存在を忘れていたら、
自分の性格上、夢も希望もお金もなく、
クソな上司と、バカすぎる後輩に板挟みにされて、
手取り15万以下で、コメツキバッタのように、
へーこらへーこらしている人生を送っていたでしょう。
もしくはサラリーマンをやめても、
たいして稼ぐことができずに、
脳がたりていないミジンコ以下のお客「さま」に、
安い賃金でアゴのようにこき使われていたでしょうね。
というか最初は、どちらも経験しているのですが..
よく、トレードで億の資産を築きました、とか、
ポジションは100枚以上でやっています、と言う方もいます。
でもそれって、私たちからすればまだ、
あまり現実味がないですよね。
それに、専業トレーダーに憧れて、
サラリーマンをやめることは、私は勧めません。
(というより、私は今でも本業しながらのトレーダーですしね)
FXで勝てるようになって、本当にあなたがやりたかった、
忘れかけていた夢や、趣味や、楽しいことを..
見つけてほしいな、と思っています。
私自身が学籍もなくて、特技もなくて、
社交性もなくて、趣味もまったくなかったダメ人間です。
なけなしの資金を失って、彼女には捨てられて、
会社からも見放された、いわば必要のない人間でした。
だからもし、あなたが今どんな状況であっても、
「FXだけは、最後まで諦めないで頂きたいな」
そんな想いを、私は持っています。
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そしてあなたが、そういった気持ちを持って、
たとえポジションの量が、0.1枚からスタートしても、
きちんとしたトレーダーに成長するころには、
口笛を吹きながら、10枚でトレードできるようになっています。
トレードで勝つ喜び、利益をあげる楽しさ、
逆に利益を飛ばす痛み、怒り、ツラさ..
時には思うように市場が反応してくれなくて、
理不尽とも言える悲しみを感じることもあると思います。
でも、そこであなたが感じた気持ちは、
必ず今後、トレードをするうえでの糧になります。
私がはじめて、口座の資金の大半を失ったとき、
今でもはっきりと覚えている、喜怒哀楽を胸に秘めています。
ああいった大相場を経験したことで、
こうやってあなたに何か、ほんの一ミリでも、
伝わる言葉、情景、感情があればとても嬉しく思います。
「すべては、勝てるトレーダーになるための経験でしかない」
失敗は、あなたが失敗だと思ったときに、
あなたがすべて諦めたときに、
人生と言うゲームが終了します。